ホーム › 不動産に関する有益情報 › 投資用物件の購入諸費用
中古を仲介で購入し、物件価格と同額を借り入れた場合の概算です。土地と建物の割合は50:50、融資事務手数料は借入額の3.3%、火災保険は5年一括30万円という前提を置いています。
| 物件価格 | 居住用 | 投資用 | 差 | 投資用の比率 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 約111.6万円 | 約153.1万円 | +41.5万円 | 価格の15.3% |
| 2,000万円 | 約180.6万円 | 約253.6万円 | +73.0万円 | 価格の12.7% |
| 3,000万円 | 約249.1万円 | 約353.6万円 | +104.5万円 | 価格の11.8% |
| 5,000万円 | 約386.1万円 | 約553.6万円 | +167.5万円 | 価格の11.1% |
| 8,000万円 | 約593.6万円 | 約855.6万円 | +262.0万円 | 価格の10.7% |
価格が小さいほど比率は上がります。司法書士報酬や火災保険のように価格に比例しない費用があるためで、1,000万円の区分マンションでは15%を超えます。現金で購入する場合は融資関係が消えるので、投資用でもおおむね7〜11%に下がります。
| 項目 | 居住用 | 投資用 | 差 |
|---|---|---|---|
| 仲介手数料 | 105.6万円 | 105.6万円 | — |
| 売買契約書の印紙税 | 1.0万円 | 1.0万円 | — |
| 登録免許税(所有権移転) | 31.5万円 | 36.8万円 | +5.3 |
| 司法書士報酬(移転登記) | 10.0万円 | 10.0万円 | — |
| 不動産取得税 | 控除で0円のことが多い | 47.2万円 | +47.2 |
| 融資事務手数料 | 66.0万円 | 99.0万円 | +33.0 |
| 抵当権設定費用 | 8.0万円 | 17.0万円 | +9.0 |
| ローン契約の印紙税 | 1.0万円 | 1.0万円 | — |
| 火災保険料(5年一括) | 20.0万円 | 30.0万円 | +10.0 |
| 固定資産税・都市計画税の清算金 | 6.0万円 | 6.0万円 | — |
| 合計 | 約249.1万円 | 約353.6万円 | +104.5 |
差がついているのは5項目だけです。仲介手数料も印紙税も司法書士報酬も、用途では変わりません。以下、変わる部分を順に見ます。
所有権移転登記の登録免許税は、土地と建物で扱いが分かれます。
| 登記の種類 | 本則 | 軽減 | 軽減の期限 | 賃貸用で使えるか |
|---|---|---|---|---|
| 所有権移転(土地・売買) | 2.0% | 1.5% | 2029年3月31日 | 使える(用途を問わない) |
| 所有権移転(建物・売買) | 2.0% | 0.3% | 2027年3月31日 | 使えない(自己居住が要件) |
| 抵当権設定 | 0.4% | 0.1% | 2027年3月31日 | 使えない(自己居住用の住宅取得資金が要件) |
建物の0.3%は「住宅用家屋の軽減」と呼ばれるもので、適用を受けるには市区町村が発行する住宅用家屋証明書を登記申請書に添付します。この証明書は、個人が自分の住まいとして取得した家屋にしか出ません。賃貸に回す物件では取得できないので、建物分は本則の2.0%です。
土地は用途を問わず1.5%が使えます。ここが下がらないぶん、差は思ったほど大きくなりません。上の内訳で登録免許税の差が5.3万円にとどまっているのは、土地の軽減が両方に効いているからです。土地と建物の割合が建物寄りの物件(築浅の区分マンションなど)ほど、差は広がります。
不動産取得税は都道府県税です。税率と課税標準には、用途を問わない特例があります。
問題はそのあとの控除です。中古住宅を取得したときの築年数に応じた控除は、取得した人が自分で住むこと(またはセカンドハウスとして使うこと)が要件になっています。賃貸用に取得する中古物件では、この控除が使えません。居住用なら控除で0円になることも多い税額が、投資用ではそのまま残ります。
融資事務手数料は、借入額に一定率をかける「定率型」が主流です。住宅ローンは2.2%あたりが目安ですが、不動産投資ローンはこれより高い料率が設定されることが多く、この記事では3.3%で置いています。3,000万円の借入なら66万円と99万円で、33万円の差です。
あわせて、抵当権設定登記の登録免許税も先ほどの表のとおり0.1%から0.4%へ戻ります。3,000万円なら3万円が12万円になり、司法書士報酬を含めて8万円が17万円になります。
金利は諸費用ではありませんが、影響はこちらのほうが大きくなります。不動産投資ローンは住宅ローンより金利が高い傾向があり、その差は返済総額として毎月効いてきます。事務手数料の33万円より、金利差1%のほうが最終的な負担は重くなります。諸費用の比較だけで判断しないでください。
建物の構造・所在地・補償内容で大きく変わる前提ですが、賃貸経営では施設賠償責任のように、貸主として負う責任に備える補償を付けることがあります。入居者に対する家主賠償や、家賃収入の補償を付ければさらに上がります。この記事では5年一括で20万円と30万円として置いています。
「居住用/投資用」を切り替えると、登録免許税・不動産取得税・抵当権設定・融資事務手数料・火災保険が投資用の前提で計算し直されます。登録不要・その場で計算できます。
購入諸費用シミュレーションを使う →資金計画でいちばん事故りやすいのがここです。不動産取得税は決済当日に払いません。取得から数か月後に都道府県から納税通知書が届いてから納めます。
| 物件価格 | 決済時に必要(概算) | 数か月後の不動産取得税 |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 約137.3万円 | 約15.8万円 |
| 2,000万円 | 約222.1万円 | 約31.5万円 |
| 3,000万円 | 約306.4万円 | 約47.2万円 |
| 5,000万円 | 約474.8万円 | 約78.8万円 |
決済で手元の現金を使い切る計画にしていると、数か月後に通知が届いてから資金を探すことになります。取得税の分だけは、最初から別枠で置いておくのが安全です。
この記事の数字は土地50%・建物50%を仮定しています。建物の割合が大きいほど、登録免許税も不動産取得税も重くなります(建物は登録免許税が本則2.0%、不動産取得税も課税標準が2分の1になりません)。
| 土地の割合 | 諸費用の合計(3,000万円・全額借入) |
|---|---|
| 30%(建物寄り) | 約362.0万円 |
| 50% | 約353.6万円 |
| 70%(土地寄り) | 約345.2万円 |
実際の割合は売買契約書の記載や固定資産税評価額の内訳で決まります。建物価格は減価償却にも直結するので、投資判断ではここを早めに押さえておく価値があります。
上の表は「物件を取得するまで」の費用です。運営を始めるまでには、別に次のような支出があります。
中古を仲介で買い、価格と同額を借り入れる前提だと、物件価格のおおむね11%から13%が目安になります。3,000万円なら約354万円、5,000万円なら約554万円という計算です。現金で買う場合は融資関係の費用が消えるため、おおむね7%から11%に下がります。同じ条件の居住用はそれぞれ8.3%、7.7%なので、投資用のほうが3ポイント前後高くなります。価格が小さいほど比率は上がり、1,000万円の区分マンションを全額借入で買うと約153万円、価格の15%を超えます。
住宅にかかる税の軽減特例が、そのほとんどで「自己の居住の用に供すること」を要件にしているためです。建物の所有権移転登記の登録免許税は、自己居住用なら0.3%まで下がりますが、賃貸用は本則の2.0%です。抵当権設定登記も、自己居住用の住宅取得資金なら0.1%のところ、賃貸用の借入れは本則0.4%になります。不動産取得税も、中古住宅の築年数に応じた控除は自己居住が要件のため、賃貸用では控除が使えません。加えて不動産投資ローンは事務手数料の料率が高く、火災保険も賃貸経営のほうが補償を広げるぶん上がりやすくなります。
あります。土地の所有権移転登記の登録免許税は、本則2.0%に対して1.5%の軽減が2029年3月31日まで適用され、これは用途を問いません。不動産取得税も、税率を本則4%から3%とする特例と、宅地の課税標準を評価額の2分の1とする特例が2027年3月31日まで適用され、いずれも自己居住かどうかを問いません。さらに新築の貸家住宅は、一戸あたりの床面積が40㎡以上240㎡以下であれば、不動産取得税の課税標準から一戸につき1,200万円を控除できます。控除が使えないのは中古を賃貸用に取得する場合です。
いいえ。不動産取得税は都道府県税で、取得から数か月後に納税通知書が届いてから納めます。決済当日に用意する現金には含まれません。3,000万円の物件なら約47万円が数か月後に出ていく計算になるので、決済で手元の現金を使い切る資金計画を立てていると、通知が届いてから慌てることになります。決済時に必要な額と、後から来る額を分けて見積もっておくことをおすすめします。
Sonaureの購入諸費用計算は「居住用/投資家向け」を切り替えられます。土地の割合・融資事務手数料の料率・火災保険料はお客様の条件に合わせて調整でき、そのまま渡せるPDF/Excelで出力できます。売却収支のほうも、3,000万円特別控除の可否と減価償却の反映を用途で切り替えます。
Sonaureの購入諸費用計算を見る →「今の家賃でいくらの家が買えるのか」「うちは今いくらで売れるのか」を知りたいだけでも構いません。宅地建物取引士がお話をうかがいます。
お問い合わせフォームへ →※ 本記事は2026年8月時点の税制に基づく一般的な解説です。記載の金額は、中古住宅を仲介で取得し、固定資産税評価額を売買価格の70%、土地と建物の割合を50:50、融資事務手数料を借入額の3.3%、火災保険を5年一括30万円と仮定した概算であり、実額は物件・評価額・金融機関・保険商品により変動します。軽減措置・特例にはそれぞれ床面積などの適用要件と期限があり、期限は延長・改正されることがあります。不動産取得税は都道府県税のため、取り扱いは都道府県により異なる場合があります。個別の税額と適用可否の判断は、税理士・司法書士および物件所在地の都道府県税事務所にご確認ください。
参考:国税庁「登録免許税の税額表」/租税特別措置法(住宅用家屋の所有権の移転登記等に係る税率の軽減、住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減)/地方税法および同附則(不動産取得税の税率の特例、宅地評価土地の取得に係る課税標準の特例、住宅の取得に係る課税標準の特例)/国土交通省「住宅:不動産取得税に係る特例措置」「住宅:住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置」/宅地建物取引業法(仲介手数料の上限)