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住宅ローンの本審査に落ちる理由|事前審査に通ったのに、なぜ

最終更新:2026年8月10日|監修:おうち(宅地建物取引士)

事前審査と本審査では、見ているものが違います。
事前審査は自己申告をもとにした見込み。本審査は、その申告すべてに書類と信用情報で裏を取る段階です。だから「新しく何かが悪くなった」というより、もともとあったものが見えたために否決される場合が少なくありません。
そしてもうひとつ。審査の対象は人だけではなく、物件もです。人に問題がなくても、担保として評価できない物件なら通りません。

金融機関が実際に見ている項目

国土交通省が毎年行っている「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、金融機関に「融資を行う際に考慮する項目」を尋ねています。令和6年度の調査(回答数974)の結果です。

考慮する項目挙げた金融機関補足
完済時年齢98.4%ほぼすべての金融機関が見ています
借入時年齢96.0%借入時の年齢から返済期間が決まります
健康状態95.1%団体信用生命保険の引き受けに直結します
年収93.4%
勤続年数93.2%
担保評価90.5%物件そのものの評価です
金融機関の営業エリア90.5%エリア外の物件は扱わない金融機関があります
返済負担率90.3%他の借入も合算して計算します

年齢と健康状態が、年収より上に来ています。年収の話ばかりが語られがちですが、実際に多くの金融機関が見ているのは、まず完済時に何歳になっているか健康かどうかです。これは、返済期間中に亡くなった場合に残債が保険で消える団体信用生命保険が、多くの民間住宅ローンで加入条件になっていることと結びついています。

事前審査と本審査で、何が変わるのか

見るもの事前審査本審査
収入自己申告源泉徴収票・課税証明書で確定
他の借入自己申告個人信用情報機関に照会して照合
健康状態聞かれないことが多い団信の告知書で確認
物件販売図面の概要登記事項証明書・図面・契約書で担保評価
勤務先自己申告在籍確認が行われることがある

必要書類の詳細は住宅ローンの必要書類にまとめています。以下、否決につながりやすい理由を5つに分けます。

理由① 申告と実際が違った

いちばん多いのがここです。悪意がなくても起こります。

申告漏れは、信用情報の照会ですぐ分かります。隠すより、最初から全部出して組み立てたほうが早いです。

理由② 個人信用情報

本審査では、金融機関が信用情報機関に照会します。ここで過去の延滞などが確認されると、収入に問題がなくても否決されることがあります。

機関主に集まる情報
CICクレジットカード、携帯電話端末の分割払いなど割賦販売に関する情報
JICC消費者金融など貸金業者からの借入に関する情報
KSC銀行・信用金庫などの情報。破産や個人再生といった官報情報も保有

いずれも本人が開示請求できます。心当たりがあるなら、申し込む前に自分で確認しておくと、理由が分からないまま時間を失うことを避けられます。あわせて、短期間にいくつもの金融機関へ申し込むと、その申込記録自体が残ります。数を打てば通るというものではありません。

理由③ 団体信用生命保険で引き受けが得られなかった

団信の審査は、金融機関の審査とは別に、保険会社が行います。民間の住宅ローンでは加入が条件になっていることが多いため、ここで引き受けが得られないと借入自体ができません。先ほどの調査で健康状態が95.1%という高い位置にあるのは、このためです。

理由④ 物件の担保評価

ここは、本人の属性をどれだけ整えても解決しません。逆にいえば、物件を変えれば通ることがあるということでもあります。

物件側の弱点は、買う前に分かります。接道、容積率、検査済証、権利関係。買う前に確認する項目として先に押さえておけば、契約してから融資で止まる事態を減らせます。

理由⑤ 審査中に状況が変わった

本審査に通ったあとでも、融資実行までの間に状況を確認されることがあります。申し込みから決済までは、何も増やさない。これに尽きます。

やらないほうがよいこと。自動車ローンを組む/クレジットカードを新しく作る/家具・家電を分割払いで買う/転職・退職する/支払いを遅らせる。いずれも返済負担率か信用情報、または収入の前提を動かします。家具や家電の購入は引渡しの後に、転職は融資実行が終わってから。

落ちたときに、まずやること

1. 売買契約書のローン特約を確認する

いちばん急ぐのはここです。売買契約に融資利用の特約(ローン特約)が付いていて、その条件を満たしていれば、契約を白紙解除して手付金の返還を受けられるのが一般的です。

この特約には期限があります。「いつまでに承認が得られなければ解除できるか」が契約書に定められていて、期限を過ぎると特約による解除ができなくなります。そうなると、手付金を放棄して解除することになりかねません。否決の連絡を受けたら、まず契約書の条項と期限を確認し、解除する場合は定められた方法で期限内に通知してください。判断に迷うときは、契約を仲介した宅地建物取引業者にすぐ相談を。

2. 理由の当たりをつける

金融機関は否決の理由を原則として教えてくれません。ただ、信用情報は自分で開示できますし、返済負担率は自分で計算できます。物件側の問題かどうかは、仲介の不動産会社に聞けば見当がつきます。「人の問題」なのか「物件の問題」なのかを切り分けるのが最初の一歩です。

3. すぐに他行へ乱れ打ちしない

申込記録が積み上がると、かえって不利になり得ます。理由の当たりをつけてから、条件を変えて出し直すほうが確実です。

4. 条件を変えて組み直す

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よくある質問

事前審査に通ったのに、なぜ本審査で落ちるのですか?

見ているものが違うからです。事前審査は申込者の自己申告をもとに、この人にいくら貸せそうかを簡易に判断する段階です。本審査は源泉徴収票や課税証明書といった公的書類で収入を確定させ、個人信用情報機関に照会して借入の状況を照合し、団体信用生命保険の告知で健康状態を確認し、登記事項証明書や図面で物件の担保価値を評価します。つまり本審査は、事前審査で自己申告だった部分すべてに裏を取る段階です。新しく何かが悪くなったというより、もともとあったものが見えるようになって否決される場合が多くあります。

金融機関は審査で何をいちばん見ていますか?

国土交通省の令和6年度「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、融資を行う際に考慮する項目として挙げた金融機関の割合は、完済時年齢が98.4%で最も高く、次いで借入時年齢96.0%、健康状態95.1%、年収93.4%、勤続年数93.2%、担保評価90.5%、金融機関の営業エリア90.5%、返済負担率90.3%となっています。年齢と健康状態が年収より上に来ているのが特徴です。これは、返済期間中に亡くなった場合に残債を保険で消す団体信用生命保険が、多くの民間住宅ローンで加入条件になっていることと関係しています。

審査中にやってはいけないことはありますか?

借入と勤務先を動かさないことです。本審査に通ったあとでも、金融機関は融資実行までの間に状況を確認することがあります。自動車ローンを新たに組む、クレジットカードを作る、分割払いで大きな買い物をするといった行為は返済負担率を押し上げ、信用情報にも新しい記録として残ります。転職や退職も収入の前提が変わるため、再審査や融資の取り消しにつながることがあります。家具や家電の購入は引渡しの後にする、転職は融資実行が終わってから検討する、というのが安全です。申し込みから決済までは、何も増やさないでください。

本審査に落ちたら、支払った手付金は返ってきますか?

売買契約に融資利用の特約(ローン特約)が付いていて、その条件を満たしていれば、契約を白紙解除して手付金の返還を受けられるのが一般的です。ただし、この特約には利用する金融機関や借入金額、そして「いつまでに承認が得られなければ解除できるか」という期限が定められています。期限を過ぎてからの解除は特約によることができず、手付金を放棄して解除することになりかねません。否決の連絡を受けたら、まず売買契約書のローン特約の条項と期限を確認し、解除する場合は定められた方法で期限内に通知してください。判断に迷う場合は、契約を仲介した宅地建物取引業者にすぐ相談してください。

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監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・購入諸費用・売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年8月時点の一般的な取扱いをまとめたもので、個人が自ら居住する住宅を取得するために借り入れる場合を前提としています。審査の基準・項目・判断は金融機関ごとに異なり、本記事は融資の可否について何ら保証するものではありません。記載の割合は国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査」令和6年度の結果(回答数974)で、同調査は毎年度実施されているため、最新の公表値をあわせてご確認ください。団体信用生命保険の引受可否は保険会社の判断によります。ローン特約の内容・期限・解除の方法は個々の売買契約によって異なりますので、必ずご自身の売買契約書をご確認のうえ、契約を仲介した宅地建物取引業者にご相談ください。
参考:国土交通省 住宅局「民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和6年度)/住宅金融支援機構「フラット35」(新機構団信に加入しない場合の金利、総返済負担率の基準)/指定信用情報機関(株式会社シー・アイ・シー、株式会社日本信用情報機構、全国銀行個人信用情報センター)の公表資料/建築基準法第43条/宅地建物取引業法第35条