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内見の準備|営業が前日までにそろえるものと、現地での段取り

最終更新:2026年8月2日|監修:おうち(宅地建物取引士)

内見の成否は、当日ではなく前日までに決まっています。
現地で慌てる場面のほとんどは、鍵・電気・順番のどれかの手配漏れです。どれも前日に5分で潰せます。
もう一点、見落とされがちなこと。現地での口頭の案内も、不動産の表示に関する公正競争規約でいう「表示」に当たり得ます。「駅まで5分ですよ」の一言にもルールが及びます。

全体の流れ

内見は、当日の1〜2時間だけの仕事ではありません。時間の流れで押さえると抜けが減ります。

タイミングやることここを外すと
前日まで鍵の手配、電気・水道の確認、資料の準備、順番と移動時間の設計当日その場で詰む
当日の朝持ち物の確認、経路と駐車場所の確認現地で時間を失う
現地周辺を一周 → 外観・共用部 → 専有部。採寸と写真後から質問に答えられない
内見後当日中に資料を送る、検討事項を整理する熱が冷める

前日までの5つ

① 鍵の手配

当日いちばん事故るのがここです。キーボックスの番号は現地では確認できません。必ず控えていってください。物件によっては管理会社への事前連絡が必須で、連絡なしでは開錠番号を教えてもらえないこともあります。

鍵を店舗で預かる方式なら、前日のうちに手元にあるか実物で確認してください。「あるはずだった」が一番危ないです。

② 電気と水道が使えるか

空室物件は、電気が止まっていることがあります。日が落ちてからの案内では室内がほとんど見えず、エアコンや換気扇の動作確認もできません。水道が止まっていれば、水圧や排水の確認もできません。
売主・管理会社に開通状況を確認し、止まっているなら明るい時間帯に案内を組み直すか、照明を持参してください。

③ 資料をそろえる

④ 順番と移動時間を決める

移動を含めて1件あたり40〜60分が現実的です。半日で3件、1日でも4〜5件が上限の目安。詰め込むと1件ごとの印象が薄れ、お客様が比較できなくなります。

本命は最初ではなく、2番目か3番目に置きます。比較の材料がそろった状態で見ていただくほうが、良さが伝わるためです。居住中の物件は先方の都合で時間が固定されるので、そこを軸に前後を組むと崩れません。

⑤ 空室か居住中か

居住中の物件は、時間厳守写真の可否を事前確認・収納の中を開けてよいかの確認が要ります。生活感のある部屋は面積を小さく感じさせるので、図面と採寸で補ってください。

持ち物

もの理由
鍵・キーボックス番号のメモ電波の届かない場所ではスマホの中の情報は取り出せない
メジャー(5m以上)搬入経路の採寸に3mでは足りないことがある
懐中電灯電気が止まっている・収納の奥・床下点検口
スリッパ人数分+予備。土足禁止の空室は多い
方位磁針(スマホで可)採光と日当たりの説明に使う
ウェットティッシュ・靴カバー長期空室は埃が積もっている
モバイルバッテリー撮影と地図で電池を消耗する

現地の順番

いきなり玄関に入らず、外から内への順で回すと、お客様の理解が積み上がります。

必ず採寸する5か所

最優先は搬入経路です。玄関ドアの有効幅、廊下の幅と曲がり角、階段の踊り場、エレベーターの内寸。冷蔵庫やソファが入らないと分かるのが引渡し後では、取り返しがつきません。間取り図には出てこない情報なので、現地でしか取れません。
場所測るもの
1搬入経路玄関ドアの有効幅、廊下幅、曲がり角、階段の踊り場、エレベーター内寸
2洗濯機置き場防水パンの内寸(外寸ではなく内寸)と、蛇口の高さ
3冷蔵庫スペース幅・奥行き・高さ。上部の余裕も
4カーテンレール幅と高さ。既製品で足りるかが分かる
5天井高とコンセント家具・家電の配置相談にその場で答えられる

現地での「言い方」に、実はルールがあります

不動産の表示に関する公正競争規約は、「表示」の定義に、チラシ・パンフレット等だけでなく口頭による広告表示(電話によるものを含む)を含めています。契約を勧める場面での案内は、この口頭の表示に当たり得ます。

つまり「駅まで歩いて5分ですよ」の一言にも、ルールが及びます。徒歩所要時間は道路距離80mを1分として換算し、端数は切り上げるのが規約の定めです。地図アプリの直線距離から出した分数は実際より短く出るため、口頭でも使わないほうが安全です。

もう一つ、評価語を避けること。「静かで良い環境ですよ」は書き手・話し手の評価です。感じ方は人によって違うので、後日ちがう体感を持たれたときに食い違いになります。「線路まで約120mです。音は時間帯で変わるので、可能なら夕方にもう一度来てみてください」——事実で伝えて、判断はお客様に委ねる。この形なら争いになりません。

そして、不都合な事実を伏せないこと。宅地建物取引業法47条1項1号は、相手方の判断に重要な影響を及ぼす事項——条文には「環境」「交通等の利便」が明記されています——について、故意に事実を告げない行為・不実を告げる行為を禁じています。聞かれなかったから言わなかった、は通りません。

内見後、その日のうちに

周辺環境の資料を、住所から数分で

駅・学校・保育園・病院・スーパー・公園などを、距離と方角つきの一覧と位置図にまとめます。調べる施設は項目ごとに選べます。

周辺環境調査書を見る →

使うときの注意を正直に書いておきます。Sonaureの周辺環境調査書が出す「徒歩◯分」は、直線距離を80mで割った参考値です。規約が求める道路距離ではありません。お客様への案内や書面に載せる数字は、道路距離で測り直してください。下調べで当たりをつけるための道具、という位置づけです。
また通学指定校は取得対象外で、出るのは学校の位置と距離だけです。学区は教育委員会の資料でご確認ください。

よくある質問

内見の前日までに、最低限そろえておくべきものは何ですか?

鍵の手配と、電気・水道が使える状態かどうかの確認です。この2つが当日いちばん事故ります。キーボックスの番号は現地で確認できないため必ず控え、管理会社への事前連絡が必要な物件かも確かめてください。空室で電気が止まっていると、日が落ちてからの案内では室内が見えず、エアコンの動作確認もできません。あわせて図面と周辺環境の資料、購入なら諸費用の概算も用意しておきます。

内見中に「駅まで徒歩5分です」と口頭で言うのも、広告のルールの対象になりますか?

対象になり得ます。不動産の表示に関する公正競争規約は「表示」の定義に、チラシやパンフレットだけでなく口頭による広告表示(電話によるものを含む)を含めています。契約を勧める場面での案内は、この口頭の表示に当たり得ます。徒歩所要時間は道路距離80mを1分として換算し、端数は切り上げるのが規約の定めです。地図上の直線距離から出した数字は実際より短く出るため、口頭でも使わないほうが安全です。

1日に何件まで案内できますか?

移動時間を含めて1件あたり40〜60分を見ておくと現実的です。半日なら3件、1日でも4〜5件が上限の目安になります。件数を詰め込むと1件ごとの印象が薄れ、お客様が比較できなくなります。居住中の物件は先方の都合で時間が固定されるため、そこを軸に前後を組み立てると崩れにくくなります。本命は最初ではなく2番目か3番目に置くと、比較の材料がそろった状態で見ていただけます。

内見時に採寸しておくべき場所はどこですか?

最優先は搬入経路です。玄関ドアの有効幅、廊下の幅と曲がり角、階段の踊り場、エレベーターの内寸を測っておきます。冷蔵庫やソファが入らないと分かるのが引渡し後では手遅れになるためです。あわせて洗濯機置き場の防水パンの内寸、冷蔵庫スペースの幅と高さ、カーテンレールの幅と高さ、天井高とコンセントの位置を押さえておくと、家具の相談にその場で答えられます。

不動産会社にお勤めの方へ

Sonaureなら、住所を入れるだけで周辺環境の一覧と位置図が数分で作れます。購入諸費用・売却収支・賃貸初期費用の概算書も同じ画面から。内見前にお渡しする資料の準備を、まとめて短縮できます。

Sonaureの周辺環境調査を見る →
監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・購入諸費用・売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年8月時点の法令・規約に基づく一般的な解説です。物件の種別、取引の態様、管理形態によって必要な準備や手順は異なります。案内時の説明が「表示」に該当するかどうか、また表示規約に適合するかどうかの判断は、所属する不動産公正取引協議会の判断が優先します。個別の取引における説明義務の有無や範囲の判断は、取引を担当する宅地建物取引士および所属先の判断によります。本記事は案内時の確認の網羅性を保証するものではありません。
参考:不動産の表示に関する公正競争規約第4条(表示の定義。口頭による広告表示を含む)・同施行規則(徒歩所要時間の表示基準)/宅地建物取引業法第35条・第47条第1項/国土交通省「不動産情報ライブラリ」