ホーム › 不動産に関する有益情報 › 固定資産税の計算方法と住宅用地の特例
納税通知書には、たいてい2つの税金が並んでいます。別の税金なので、対象も税率も違います。
| 固定資産税 | 都市計画税 | |
|---|---|---|
| 課税対象 | 土地・家屋・償却資産 | 市街化区域内の土地・家屋 |
| 税率 | 標準税率1.4% | 上限(制限税率)0.3% |
| 課税する人 | 市区町村(東京23区は都) | |
| 納税義務者 | その年の1月1日時点の所有者 | |
| 免税点 | 課税標準額が土地30万円・家屋20万円に満たない場合は課税されません | |
市街化調整区域なら、都市計画税はかかりません。都市計画税は市街化区域内の土地・家屋が対象です。また固定資産税の1.4%は「標準税率」で、これと異なる税率を定めている自治体もあります。0.3%も「これ以下」という上限なので、実際の税率は物件所在地の自治体で確認してください。
②が「課税標準額を下げる」のに対し、④は「計算後の税額を下げる」という違いがあります。順番を間違えると金額が合いません。
土地150㎡(評価額1,050万円)、木造2階建て・床面積100㎡(家屋の評価額600万円)として計算します。
| 評価額 | 課税標準額 | 税額 | |
|---|---|---|---|
| 固定資産税 (1.4%) | 土地 1,050万円 | ÷6 = 175万円 | 24,500円 |
| 家屋 600万円 | そのまま 600万円 | 84,000円 | |
| 都市計画税 (0.3%) | 土地 1,050万円 | ÷3 = 350万円 | 10,500円 |
| 家屋 600万円 | そのまま 600万円 | 18,000円 | |
| 合計(年間) | 137,000円 | ||
土地は評価額1,050万円に対して税額が3.5万円、家屋は評価額600万円に対して10.2万円。評価額は土地のほうが高いのに、税額は家屋のほうが3倍近くあります。特例が土地にしか効いていないためです。
家屋の評価額は、売買価格とは別物です。家屋は「同じものをいま建てたらいくらか」(再建築価格)に、築年数に応じた経年減点補正率を掛けて求めます。中古で買った価格や、住宅ローンの担保評価とは連動しません。そしてこの補正率はおおむね2割で下げ止まるので、築古でも家屋の固定資産税はゼロにはなりません。
土地の税額を決めているのは、ほぼこれです。地方税法349条の3の2により、住宅の敷地になっている土地は課税標準額が引き下げられます。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地 1戸あたり200㎡までの部分 | 6分の1 | 3分の1 |
| 一般住宅用地 200㎡を超える部分 | 3分の1 | 3分の2 |
上限は家屋の床面積の10倍まで。それを超える部分には特例が及びません。200㎡は「敷地全体が6分の1になるかどうか」の境目ではなく、200㎡までの部分と、それを超える部分を分けて計算します。
特例の前提は「住宅が建っていること」です。1月1日の時点で家屋が無ければ、その年度は適用されません。年末に解体すると、翌年度から特例が外れます。
| 土地(評価額1,050万円) | 住宅あり | 更地 |
|---|---|---|
| 課税標準額(固定資産税) | 175万円 | 735万円 |
| 固定資産税 | 24,500円 | 102,900円 |
| 都市計画税 | 10,500円 | 22,050円 |
| 土地分の合計 | 35,000円 | 124,950円 |
6倍にならないのは、住宅用地以外の宅地(商業地等)には課税標準額を評価額の70%までとする負担調整措置があるためです。この例では約3.6倍・年8万9,950円の増加。もっとも、家屋を壊せば家屋分の税金(この例で10.2万円)は無くなるので、敷地全体で見た増減は建物の評価額しだいです。解体を検討するなら、両方を並べて比べてください。
住宅が建っていても、特例が外れることがあります。空家等対策の推進に関する特別措置法により、特定空家等として勧告を受けた土地は住宅用地の特例の対象外になります。2023年12月施行の改正では、特定空家等になるおそれのある管理不全空家等が新設され、こちらも勧告を受ければ同じ扱いです。「放置しておけば安いまま」ではなくなりました。
新築住宅には、家屋の税額そのものを減額する措置があります(床面積などの要件を満たす場合)。
この措置には適用期限があり、これまで改正のたびに延長されてきました。期限は年度によって変わるので、新築を検討しているなら最新の適用期限を自治体または国土交通省の資料で確認してください。また、減額が終わる年に税額が上がるのは制度どおりで、評価替えとは別の話です。「4年目に急に上がった」という相談は、たいていこれです。
清算の起算日は地域の慣行で分かれます。関東では1月1日、関西では4月1日を起算日とすることが多く、同じ引渡日でも金額が変わります。契約書のどこに書かれているかを確認してください。
この清算金は、税金の納付ではありません。売買代金の一部として扱われます。したがって売主側では譲渡所得の収入金額に算入され、買主側では取得費に算入されます。売却の年に「受け取った清算金を収入に入れ忘れる」のは、実務でよくある取りこぼしです。譲渡所得税の計算もあわせて確認してください。
仲介手数料・登記費用・清算金まで、購入時に用意する現金を項目ごとに試算できます。「居住用/投資用」の切り替えつき。登録不要です。
購入諸費用シミュレーションを使う →評価額は、行政が個別に算定した数字です。間違いが無いとは限りません。
評価替えは3年に1度です。据置年度でも、地目の変更や増改築があれば税額は動きます。「去年と同じはず」と思い込まず、明細を見るのが確実です。
土地と建物の固定資産税評価額で決まるため、売買価格からは一義的に決まりません。目安として、3,000万円の中古戸建(土地150㎡・評価額1,050万円、家屋の評価額600万円)で計算すると、固定資産税が10万8,500円、都市計画税が2万8,500円で、合計は年13万7,000円です。月あたり約1万1,400円になります。税率は固定資産税が標準税率1.4%、都市計画税が上限0.3%ですが、自治体によって異なる場合があります。正確な金額は、毎年4月から6月ごろに届く納税通知書の課税明細書、または市区町村で取得できる固定資産評価証明書で確認できます。
住宅の敷地になっている土地について、課税標準額を引き下げる特例です。地方税法349条の3の2により、1戸あたり200㎡までの部分(小規模住宅用地)は固定資産税で価格の6分の1、都市計画税で3分の1になります。200㎡を超える部分(一般住宅用地)は、家屋の床面積の10倍までを限度に、固定資産税で3分の1、都市計画税で3分の2です。たとえば敷地300㎡なら、200㎡分が6分の1、残り100㎡分が3分の1で計算されます。この特例は土地の上に住宅が建っていることが前提なので、住宅を取り壊して更地にすると、翌年度から適用されなくなります。
住宅用地の特例が外れるため、土地の税額は数倍になります。記事の例(土地の評価額1,050万円)では、特例ありなら土地分は年3万5,000円ですが、更地になると年12万4,950円で約3.6倍です。非住宅用地には課税標準額を評価額の70%までとする負担調整措置があるため6倍にはなりませんが、それでも負担は大きく増えます。なお、家屋を取り壊せば家屋分の税金はなくなるので、敷地全体での増減は建物の評価額しだいです。また空家等対策の推進に関する特別措置法により、特定空家等または管理不全空家等として勧告を受けた場合も、住宅が建ったままで住宅用地の特例が適用されなくなります。
納税義務者は、その年の1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている人です。年の途中で引き渡しても納税通知書は売主に届き、市区町村に対する納税義務は売主のままです。実務では、引渡日を境に日割りで負担を分け、買主が売主に清算金を支払う取り扱いが一般的ですが、これは法律上の義務ではなく売買契約による当事者間の合意です。起算日を1月1日とするか4月1日とするかは地域の慣行によって異なるため、契約書で確認してください。なお、買主が支払った清算金は税金の納付ではなく売買代金の一部として扱われ、売主側では譲渡所得の収入金額に、買主側では取得費に算入されます。
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お問い合わせフォームへ →※ 本記事は2026年8月時点の法令に基づく一般的な解説です。記載の金額は、土地150㎡・固定資産税評価額1,050万円、家屋(木造2階建て・床面積100㎡)の評価額600万円、固定資産税1.4%・都市計画税0.3%という前提で計算した例です。固定資産税評価額は3年ごとの評価替えで見直され、税率・減額措置の適用期限・負担調整措置の内容は自治体および年度によって異なります。新築住宅に係る減額措置の適用期限は改正のたびに延長されてきたため、本記事では具体的な期日を記載していません。実際の税額・特例の適用可否は、必ず物件所在地の市区町村(東京23区は都税事務所)にご確認ください。個別の税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。
参考:地方税法第343条(納税義務者)・第349条の3の2(住宅用地に対する課税標準の特例)・第350条(固定資産税の税率)・第351条(免税点)・第359条(賦課期日)・第432条(審査の申出)・第702条の4(都市計画税の制限税率)および同法附則(宅地等に対する負担調整措置、新築住宅に対する減額措置)/空家等対策の推進に関する特別措置法(特定空家等・管理不全空家等に対する勧告と住宅用地特例の除外)/国税庁 質疑応答事例「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」/国税庁 No.3252「取得費となるもの」