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マイホーム売却の譲渡所得税はいくら?計算方法と3,000万円控除を宅建士が解説

最終更新:2026年7月29日|監修:おうち(宅地建物取引士)

結論:マイホームの売却では、税額が0円になるケースが多くあります。
譲渡所得税がかかるのは「売って利益が出たとき」だけです。さらにマイホームには3,000万円特別控除があるため、利益が3,000万円以内に収まれば税額は0円。購入時より安く売れた場合も、課税されません。
ただし税額0円でも確定申告は必要で、取得費を証明できないと税額が跳ね上がることがあります。この2点だけは押さえてください。

譲渡所得税は3ステップで計算する

「売却価格に税率をかける」わけではありません。利益を出し、控除を引き、そこに税率をかけます。

  1. 譲渡所得(利益)を出す
    売却価格 −取得費(買ったときの金額)−譲渡費用(売るためにかかった費用)
  2. 特別控除を引く
    マイホームなら最大3,000万円を差し引く(=課税譲渡所得
  3. 税率をかける
    課税譲渡所得 × 税率(所有期間で20.315%または39.63%)

ポイント:ステップ2で課税譲渡所得が0以下になれば、税額も0円です。マイホーム売却で多くの人が課税されないのは、この3,000万円の控除枠が大きいためです。

取得費に入るもの・譲渡費用に入るもの

税率は所有期間で倍近く変わる

区分所有期間税率内訳
短期譲渡所得5年以下39.63%所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%
長期譲渡所得5年超20.315%所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%
軽減税率の特例
(マイホーム)
10年超14.21%所得税10.21%+住民税4%
※課税譲渡所得6,000万円以下の部分
間違えやすい点:所有期間は「売った年の1月1日時点」で数えます。
引き渡し日で5年を超えていても、その年の1月1日時点で5年以下なら短期扱いです。たとえば2021年6月に購入し2026年8月に売却した場合、実際の保有は5年2か月ですが、2026年1月1日時点では4年7か月のため短期譲渡(39.63%)になります。数か月ずらすだけで税率が倍近く変わるため、売却時期の判断材料になります。
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計算例:3,000万円で売った場合(所有10年・マイホーム)

取得費の資料が見つからず、概算取得費(売却価格の5%)で計算したケースです。

項目金額内容
売却価格3,000万円
取得費150万円概算取得費(売却価格の5%)
譲渡費用約106.6万円仲介手数料 約105.6万円+印紙税 1万円
譲渡所得約2,743万円3,000 −150 −106.6
3,000万円特別控除−2,743万円控除枠の範囲内なので全額
課税譲渡所得0円
譲渡所得税・住民税0円

このように、3,000万円台の売却であれば税額0円になるのが一般的です。

税金がかかるのはどんなとき?(6,000万円で売った場合)

取得費1,000万円・所有10年・マイホームのケースで計算します。

項目金額
売却価格6,000万円
取得費1,000万円
譲渡費用(仲介手数料+印紙税)約207.6万円
譲渡所得約4,792万円
3,000万円特別控除−3,000万円
課税譲渡所得約1,792万円
税額(長期 20.315%)約364万円
税額(10年超の軽減税率 14.21%を適用した場合)約255万円

所有期間が10年を超えていれば軽減税率の特例が使え、この例では約109万円の差が出ます。3,000万円特別控除との併用も可能です。

取得費が分からないと、税額が大きく増える

買ったときの金額を証明できない場合、売却価格の5%を取得費とみなすルール(概算取得費)で計算します。何十年も前に買った家では実際の購入額を大きく下回ることが多く、その差がそのまま課税対象になります。

先ほどの6,000万円の例で比べると:

取得費課税譲渡所得税額(20.315%)
1,000万円(契約書あり)約1,792万円約364万円
300万円(概算取得費5%)約2,492万円約506万円

探す価値があります。売買契約書、購入時の領収書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書、通帳の振込記録など、購入価格を示す資料が残っていないか確認してください。上の例では約142万円の差になります。

3,000万円特別控除の主な要件と注意点

買い替えを考えている方へ:3,000万円特別控除と住宅ローン控除は併用できません。売却時に控除を使って税負担を減らすか、新居で住宅ローン控除を受けるか、どちらが有利かは金額次第です。売却と購入を同時に進める場合は、契約前に税理士へ相談しておくと安全です。

税額0円でも確定申告は必要

3,000万円特別控除も軽減税率の特例も、確定申告をして初めて適用されます。「計算したら0円だったから申告しなくていい」と考えると、特例が適用されず課税されるおそれがあります。

よくある質問

マイホームを売ると必ず譲渡所得税がかかりますか?

いいえ。かかるのは利益が出た場合だけです。さらにマイホームには3,000万円特別控除があるため、利益が3,000万円以内なら税額は0円になります。購入時より安く売れた場合も課税されません。

譲渡所得税の税率は何%ですか?

売った年の1月1日時点で所有期間が5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%です。マイホームで所有10年超なら、課税譲渡所得6,000万円以下の部分に14.21%の軽減税率が使えます。

購入したときの売買契約書が見つかりません。

売却価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」で計算します。実際の購入価格より低くなることが多く、その分だけ税額が増えます。領収書やローンの契約書など、購入価格が分かる資料が他にないか探してみてください。

税額が0円でも確定申告は必要ですか?

必要です。特例は申告して初めて適用されます。売却した翌年の2月16日〜3月15日に申告してください。

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監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・購入諸費用・売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年7月時点の税制に基づく一般的な概算であり、実際の税額は物件・所有期間・取得費の資料・各種特例の適用可否により変動します。税率・控除・特例の要件は改正されることがあります。個別の税務判断および正式な税額の算定については、必ず税理士または所轄の税務署にご確認ください。本記事は税務相談に代わるものではありません。
なお、復興特別所得税は2037年まで課税されます。2027年1月以後は防衛特別所得税の創設に伴い内訳が変更される予定ですが、譲渡所得に対する合計税率(長期20.315%・短期39.63%)は変わらない見込みです。
参考:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」「No.3302 マイホームを売ったときの特例」「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」/宅地建物取引業法(仲介手数料の上限)