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用途地域の調べ方3つと、実務で間違えやすい「またがり」の判定

最終更新:2026年7月30日|監修:おうち(宅地建物取引士)

用途地域は、自治体の都市計画情報Webで無料・その場で調べられます。
「市区町村名+都市計画図」で検索すれば、ほとんどの自治体が地図で公開しています。全国を横断して見たいときは、国土交通省の不動産情報ライブラリが便利です。
実務で差が出るのは、調べた後です。敷地が複数の用途地域にまたがる場合、用途制限は「過半」、建ぺい率・容積率は「加重平均」、防火は「厳しい方」と、項目ごとに扱いが違います。ここを取り違えると重要事項説明の記載を誤ります。

調べ方は3つ。使い分けが早い

① 自治体の都市計画情報Web(まずこれ)

  1. 「市区町村名 都市計画図」で検索し、自治体の地図サービスを開く
  2. 住所を入力するか、地図を拡大して対象地を表示する
  3. 用途地域の色分けと、建ぺい率・容積率の指定を読み取る

自治体が告示した内容をそのまま反映しているため、精度が高いのが利点です。ただし自治体ごとに操作方法や画面が違うので、担当エリアが広いと毎回操作を覚え直すことになります。

② 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(全国横断で見たいとき)

全国の用途地域・区域区分・防火指定・ハザード情報などを、同じ操作感で地図表示できます。担当エリアが複数の自治体にまたがる場合や、他県の物件を急いで確認したいときに向いています。建ぺい率・容積率も属性として確認できます。

使い分けの目安:普段の担当エリアは①の自治体Web、初めて扱うエリアや県外の物件は②の不動産情報ライブラリ。最終確認は必ず③の窓口、という流れが実務では安定します。

③ 自治体の都市計画課(確定させるとき)

正式な根拠は、自治体が告示した都市計画図です。境界付近の物件や、Web地図で判断が割れた場合は、必ず窓口または電話で確認します。「◯◯町◯丁目◯番地の用途地域と建ぺい率・容積率」を伝えれば回答が得られます。担当者名と確認日を記録しておくと、後から根拠を示せます。

用途地域は13種類

分類用途地域性格
住居系
(8種類)
第一種・第二種低層住居専用地域低層住宅中心。高さ制限が厳しく、店舗の規模も限定される
第一種・第二種中高層住居専用地域マンションなど中高層住宅が中心
第一種・第二種住居地域/準住居地域住宅を主としつつ店舗・事務所も可。準住居は沿道業務との調和
田園住居地域2018年に追加。農地と低層住宅が調和する区域
商業系
(2種類)
近隣商業地域近隣住民向けの店舗・事務所
商業地域繁華街。容積率が最も高く設定されうる
工業系
(3種類)
準工業地域軽工業と住宅が混在。住宅も建てられる
工業地域工場中心。住宅は建てられるが学校・病院等は不可
工業専用地域住宅が建てられない唯一の用途地域

建ぺい率・容積率は、用途地域ごとに都市計画で定められた選択肢の中から指定されます。同じ用途地域でも自治体・場所によって数値が異なるため、地域名だけで決めつけず必ず個別に確認してください。

敷地が複数の用途地域にまたがるとき

ここが実務で最も間違えやすい部分です。「過半のほうに揃える」と覚えていると、建ぺい率・容積率で誤ります。

項目またがる場合の扱い根拠・考え方
用途制限
(何を建てられるか)
過半を占める用途地域のルールを敷地全体に適用建築基準法第91条
建ぺい率・容積率加重平均(各地域の面積割合で按分して合算)過半ではない。面積按分で計算する
防火・準防火地域原則厳しいほうの規制を建物全体に適用建物が両方にわたる場合の原則

建ぺい率の計算例

敷地200㎡が、第一種住居地域(建ぺい率60%)120㎡と、近隣商業地域(建ぺい率80%)80㎡にまたがる場合。

「過半である第一種住居地域の60%を敷地全体に適用して120㎡」としてしまうと、16㎡分を過小に見積もることになります。容積率も同じ考え方で按分します。

Web地図の境界線には誤差があります。用途地域の境界は道路の中心線や地形に沿って引かれていることが多く、画面上の線と実際の敷地の関係は拡大しても読み切れないことがあります。敷地が境界に近い物件では、Web地図だけで確定させず、必ず窓口で確認してください。「またがっているかどうか」の判断自体を誤ると、上の計算以前の問題になります。
この調査を毎回やっている方へ

Sonaureは住所を入れるだけで、区域区分・用途地域・建ぺい率・容積率・防火指定・災害リスクをまとめて取得し、重説の必要項目調査書として出力します。国土交通省 不動産情報ライブラリのデータを使い、敷地の周囲30m圏内に異なる指定があれば「要確認」の注記を自動で付与するため、またがりの見落としに気づけます。

Sonaureの重説必要項目調査を見る →

重要事項説明に記載するときの注意

よくある質問

用途地域はどこで調べられますか?

自治体が公開している都市計画情報のWeb地図が確実です。「市区町村名 都市計画図」で検索してください。全国横断で見たい場合は国土交通省の不動産情報ライブラリでも確認でき、建ぺい率・容積率も表示されます。最終的な確定は自治体の都市計画課で行います。

敷地が2つの用途地域にまたがる場合はどうなりますか?

用途制限は敷地の過半を占める用途地域のルールが全体に適用されます(建築基準法第91条)。建ぺい率・容積率は過半ではなく面積割合による加重平均で計算します。防火・準防火地域は原則として厳しいほうが適用されます。

用途地域は何種類ありますか?

13種類です。住居系8種類、商業系2種類、工業系3種類に分かれます。田園住居地域は2018年に追加された最も新しい区分で、工業専用地域は住宅を建てられない唯一の用途地域です。

Web地図で調べた用途地域をそのまま重要事項説明書に記載してよいですか?

出発点としては有効ですが、それだけで確定させるのは危険です。Web地図の境界線には表示上の誤差があり、境界付近では判定が変わることがあります。正式な根拠は自治体が告示した都市計画図なので、境界付近の物件では必ず窓口で確認してください。

監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・重要事項説明の調査項目・購入諸費用や売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年7月時点の一般的な取り扱いをまとめたものです。都市計画の内容は変更されることがあり、個別の敷地への適用や建築の可否は、敷地の形状・接道条件・地区計画等の有無により異なります。実際の取引にあたっては、必ず自治体の都市計画課等でご確認のうえ、建築計画に関する判断は建築士・指定確認検査機関にご相談ください。本記事は重要事項説明そのものに代わるものではありません。
参考:建築基準法(第91条ほか)/都市計画法/国土交通省「不動産情報ライブラリ」/各自治体の都市計画情報