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不動産の災害リスク調査|重説で説明が必要な項目と調べ方

最終更新:2026年7月30日|監修:おうち(宅地建物取引士)

災害リスクの説明は、任意ではなく重要事項説明の義務項目です。
2020年8月28日の宅地建物取引業法施行規則の改正で、水害ハザードマップにおける対象物件の位置の説明が義務化されました。売買・賃貸の両方が対象です。
実務でつまずくのは、項目ごとに根拠法が違い、調べる場所も違う点です。水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮)は水防法、土砂災害警戒区域は土砂災害防止法、津波災害警戒区域は津波防災地域づくり法。まとめて「ハザードマップを見た」で済ませると、抜けが生まれます。

説明が必要な災害リスク情報

項目根拠法説明の内容
水害ハザードマップ
(洪水・雨水出水(内水)・高潮)
水防法市町村が作成したマップ上で、対象物件の位置を示して説明する
土砂災害警戒区域土砂災害防止法区域内にあるかどうかを説明する
津波災害警戒区域津波防災地域づくり法区域内にあるかどうかを説明する

水害ハザードマップだけが「マップを提示して位置を示す」という説明方法になっている点に注意してください。区域指定の2つは「該当するか否か」を示す形です。

もっとも見落とされるのは「内水(雨水出水)」です。洪水ハザードマップだけを確認して終わりにしているケースが少なくありません。内水は、河川の氾濫ではなく、排水能力を超える降雨で下水や水路から水が溢れる現象で、河川から離れた市街地でも起こります。洪水・内水・高潮は別のマップとして作成されていることが多いため、それぞれ確認が必要です。

調べ方

① 重ねるハザードマップ/わがまちハザードマップ(国土交通省)

国土交通省のハザードマップポータルサイトには2つの入口があります。「重ねるハザードマップ」は洪水・土砂災害・津波・高潮などを全国共通の地図に重ねて表示でき、当たりをつけるのに向いています。「わがまちハザードマップ」は市町村が公開しているハザードマップへのリンク集で、こちらから各自治体の正式なマップに辿れます。

② 市町村のハザードマップ(説明資料にするのはこれ)

重要事項説明で提示するのは、市町村が水防法に基づいて作成したハザードマップです。自治体サイトからPDFで入手できることが多く、紙で配布している自治体もあります。実務では、マップに対象物件の位置を印などで示し、重要事項説明書に添付する形が一般的です。

③ 自治体の担当課(判断が割れるとき)

境界付近で判定が微妙な場合、マップの版が複数ある場合、そもそも作成されているか分からない場合は、防災担当課や都市計画課に確認します。確認日と担当者名を記録しておけば、後から根拠を示せます。

作成されていない場合も説明が必要です。市町村がそのハザードマップを作成していないときは、「未作成である」旨を説明します。「調べたが見つからなかったので触れない」ではなく、確認した事実として残してください。洪水・内水・高潮で作成状況が違うこともあります。

実務で注意すること

この確認を毎回やっている方へ

Sonaureは住所を入れるだけで、洪水浸水想定・高潮浸水想定・津波浸水想定・土砂災害警戒区域の4種を国土交通省 不動産情報ライブラリのデータから判定し、重説の必要項目調査書として出力します。区域外の場合でも約30m圏内に区域があれば「境界至近」として警告するため、ぎりぎりの物件を見落としにくくなります。用途地域・建ぺい率・容積率・防火指定も同時に取得できます。

Sonaureの重説必要項目調査を見る →

ツールの範囲について正直に書いておきます。Sonaureが自動判定するのは上記4種で、内水(雨水出水)は含まれていません。また出力するのは浸水想定区域等のデータに基づく一次スクリーニング結果であり、重要事項説明で提示すべき「市町村が作成した水害ハザードマップ」そのものではありません。当たりをつけて見落としを防ぐ用途に使い、説明資料としては自治体のハザードマップを別途入手してください。

よくある質問

水害ハザードマップの説明はいつから義務になりましたか?

2020年8月28日の宅地建物取引業法施行規則の改正で義務化されました。水防法に基づき市町村が作成した水害ハザードマップ(洪水・雨水出水(内水)・高潮)に対象物件の位置を示して説明します。売買・賃貸の両方が対象です。

市町村がハザードマップを作成していない場合はどうすればよいですか?

未作成である旨を説明します。「見つからなかったので触れない」ではなく、確認した事実として記録してください。洪水・内水・高潮で作成状況が異なることもあります。

土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域も水害ハザードマップと同じ扱いですか?

根拠法が異なります。水害ハザードマップは水防法に基づき、マップ上の位置を示して説明します。土砂災害警戒区域は土砂災害防止法、津波災害警戒区域は津波防災地域づくり法に基づく区域指定で、区域内かどうかを説明します。調べる場所も異なるため個別に確認してください。

ハザードマップで区域外なら安全と説明してよいですか?

「安全」と断定する説明は避けてください。ハザードマップは特定の想定条件に基づくシミュレーションで、想定を超える事象では区域外でも被害が生じ得ます。区域外である事実を伝えるにとどめてください。

監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・重要事項説明の調査項目・購入諸費用や売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年7月時点の一般的な取り扱いをまとめたものです。ハザードマップの作成状況・区域指定・想定内容は自治体および時期により異なり、見直されることがあります。実際の取引にあたっては、必ず対象物件の所在する市町村が作成した最新のハザードマップおよび自治体の担当課でご確認ください。本記事は重要事項説明そのものに代わるものではなく、災害リスクの有無や安全性を保証するものでもありません。
参考:宅地建物取引業法施行規則(第16条の4の3)/水防法/土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律/津波防災地域づくりに関する法律/国土交通省「ハザードマップポータルサイト」「不動産情報ライブラリ」