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新築の内見で必ず見るポイントと注意点|床の傾き3/1000・基礎のひび0.3mmなど国の基準つきチェックリスト

新築の内見で見るのは「図面どおりに建っているか」「見えない部分を証明する書類があるか」「この価格に何が含まれていないか」の3つです。
新築だから傷んでいない、という前提は正しい一方で、法律が10年間保証するのは構造と雨漏りだけです。仕上げの傷、建具の不具合、図面との食い違い、価格に入っていない設備は、内見と引渡し前の内覧会で自分が見つけない限り、誰も指摘してくれません。この記事は、完成した建売・マンションを見るときと、未完成でモデルルームを見るときに分けて、見る場所と判断の物差しを整理したものです。

「内見」と「内覧会」は役割が違う

内見内覧会(施主検査・竣工検査)
いつ契約前契約後、引渡しの前
目的買うかどうかを決める傷・不具合・図面との違いを指摘して直してもらう
気づいたことの扱い契約の条件にする(書面に残す)指摘リストを作り、是正後に再内覧会で確認する

完成済みの建売やマンションでは、同じ部屋を内見して契約し、引渡し前にもう一度内覧会で見ることになります。内見で見つけた不具合は「直してもらう前提で契約する」か「価格に織り込む」かを契約前に決め、書面に残すのが原則です。口頭の「直しておきます」は、担当者が変わると消えます。

持ち物

建物の外まわりで見ること

室内で見ること

床の傾き

水平器を床の数か所と窓台に置きます。国土交通省の「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(平成12年建設省告示第1653号)は、床や壁の傾斜と構造上の瑕疵の関係を次のように整理しています。

傾斜構造耐力上主要な部分に瑕疵が存在する可能性3mの距離に直すと
3/1000未満低い高低差 9mm未満
3/1000以上 6/1000未満一定程度存する9mm〜18mm未満
6/1000以上高い18mm以上

この基準は紛争になったときの参考であって、「3/1000未満なら瑕疵がない」と決めるものではありません。逆に、新築で3/1000を超える傾きが出ていれば、施工か地盤に原因があると考えるのが自然です。原因の説明と、必要なら地盤調査報告書の提示を求めてください。

建具・窓・仕上げ

設備と点検口

建売で「価格に含まれていない」ことが多いもの

建売住宅は完成した状態で売られているため、見たままがすべて付いてくると思いがちです。実際には標準仕様とオプションの線引きが売主ごとに違い、次のものは含まれていないケースがよくあります。

項目確認のしかた
網戸付いていなければオプションのことが多い。全窓分で見積りを取る
カーテンレール窓ごとに費用がかかる。取付位置の下地の有無も聞く
テレビアンテナ・配線アンテナの有無、光回線の引込口の位置
照明器具引掛シーリングだけで器具は付かないことが多い
エアコン本体はもちろん、専用回路とスリーブの有無を確認
雨戸・シャッター・面格子防犯上の希望があれば、後付けの可否と費用
外構(フェンス・門扉・カーポート・植栽)仕様書の範囲と現物を照合。「外構別途」の表記に注意

内見の場で「この価格に何が入っているか」を仕様書で確認し、入っていないものは見積りを取ってから資金計画に足してください。諸費用とは別に、入居までに必要な現金が数十万円単位で増えることがあります。

書類で見ること(見えない部分はここで判断する)

構造や施工の良し悪しは、内見で見える範囲だけでは判断できません。代わりに、あるべき書類がそろっているかで判断します。

法律が守ってくれる範囲と、くれない範囲

項目内容
新築の定義建設工事の完了から1年未満で、まだ誰も住んだことのない住宅(品確法)。1年を過ぎると「未入居」であっても新築とは表示できません
10年間の瑕疵担保責任構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁など)と雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁など)について、引渡しから10年間、売主が責任を負います(品確法)。契約で短くすることはできません
保証の裏付け売主が倒産しても修理費用が出るよう、保険加入または供託が義務(住宅瑕疵担保履行法)
10年保証の対象外内装の傷、建具の建て付け、設備の故障、図面との違い。これらは内覧会での指摘とアフターサービス基準で対応します
10年保証があるから内見は軽くていい、は逆です。保証の対象が構造と雨漏りに限られているからこそ、それ以外は引渡し前に自分で見つけて直してもらうしかありません。引渡し後に見つけた傷は「入居後に付いたもの」と区別がつかず、対応してもらえないことがあります。

未完成でモデルルームを見る場合

新築マンションや完成前の建売では、実物ではなくモデルルームや別の完成棟を見て契約することがあります。見るべきものが変わります。

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内見のあとにやること

よくある質問

新築なのに内見でチェックする必要はありますか?

あります。新築で法律が10年間保証するのは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分だけです。床や壁の傷、建具の建て付け、設備の不具合、図面との食い違いは保証の対象外で、引渡し前に指摘しなければ「そういうものとして受け取った」扱いになりやすくなります。また、新築は前の住人がいないため、住んでみて分かる不具合の情報がゼロです。中古より見るべき点が少ないのではなく、見るべき点が違うと考えてください。

床の傾きはどのくらいまでなら問題ないのですか?

国土交通省の「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(平成12年建設省告示第1653号)では、床の傾斜が3/1000未満なら構造耐力上主要な部分に瑕疵が存在する可能性は低い、3/1000以上6/1000未満なら一定程度存在する、6/1000以上なら高い、と整理されています。3/1000は3mの距離で9mmの高低差です。ただしこの基準は紛争処理の目安であり、3/1000未満なら瑕疵がないと決まるわけではありません。気になる傾きがあれば、売主に原因の説明を求めてください。

建売住宅の価格に含まれていないものは何ですか?

売主や物件によって違いますが、網戸、カーテンレール、テレビアンテナ、照明器具、エアコン、雨戸やシャッター、面格子、外構の一部(フェンス・門扉・カーポート)は、標準仕様に含まれずオプション扱いになっていることがよくあります。内見のときに「この価格に何が含まれているか」を仕様書で確認し、含まれていないものは見積りを取ってから資金計画に入れてください。

内見と内覧会は何が違うのですか?

内見は買うかどうかを決めるための見学で、契約前に行います。内覧会は契約後・引渡し前に行う検査で、施主検査や竣工検査とも呼ばれます。内覧会では傷や不具合を指摘して是正してもらい、手直し後に再内覧会で確認します。完成済みの建売やマンションでは内見と内覧会が同じ物件で行われることもありますが、役割は別です。内見で気づいた点は契約前に条件として書面に残し、内覧会では指摘リストを作って是正の記録を残してください。

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監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・購入諸費用・売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年9月時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。傾斜やひび割れの数値は「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」に示された、瑕疵が存在する可能性の目安であり、個別の建物に瑕疵があるかどうかを判定するものではありません。標準仕様とオプションの範囲、アフターサービス基準は売主・物件ごとに異なります。契約条件や保証の内容は契約書・重要事項説明書で必ずご確認ください。構造や施工に不安がある場合は、建築士やホームインスペクター等の専門家に調査を依頼してください。
参考:住宅の品質確保の促進等に関する法律(新築住宅の定義・10年間の瑕疵担保責任)/国土交通省「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(平成12年建設省告示第1653号)/特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)/宅地建物取引業法第39条・第41条・第41条の2(手付金の額の制限・手付金等の保全措置)/建築基準法(完了検査・検査済証、シックハウス対策の換気設備)/建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(2025年4月施行の省エネ基準適合義務)/国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)/不動産の表示に関する公正競争規約