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3,000万円特別控除は自分も使える?適用要件と使えないケースを宅建士が解説

最終更新:2026年7月30日|監修:おうち(宅地建物取引士)

自分が住んでいた家を売るなら、多くの人が使えます。
居住用財産の3,000万円特別控除は、マイホームを売って出た利益から最大3,000万円を差し引ける特例です。要件はそれほど厳しくありませんが、引っ越してから3年を過ぎた/親族に売った/直近3年以内に同じ特例を使ったといった場合は対象外になります。
見落とされがちなのが2つ。共有名義なら1人につき3,000万円(夫婦なら最大6,000万円)で、買い替えでは住宅ローン控除と併用できない期間があります。

まず、自分が使えるかを確認する

次のすべてに当てはまれば、基本的に適用できます。

所有期間の長さは問われません。3,000万円特別控除そのものに「何年以上所有していること」という条件はなく、買ってすぐ売った場合でも要件を満たせば使えます(ただし税率は所有期間で変わります)。

控除額の考え方

売却価格から取得費と譲渡費用を引いた「譲渡所得」から、最大3,000万円を差し引きます。

順序計算
① 譲渡所得売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
② 控除① − 3,000万円(①が3,000万円以下なら①の全額)
③ 税額② × 税率(所有5年超20.315% / 5年以下39.63%)

②の時点で0円以下になれば税額も0円です。控除しきれなかった分だけが課税対象になります。取得費・譲渡費用の中身や税率の詳細は、マイホーム売却の譲渡所得税の記事で解説しています。

共有名義なら、1人につき3,000万円

ここが最も見落とされやすい点です。この特例は共有者ごとに判定され、控除額も共有者1人につき最高3,000万円になります。夫婦それぞれが要件を満たしていれば、合計で最大6,000万円まで控除できます。

6,000万円で売却(取得費1,000万円・譲渡費用約207.6万円・所有10年)した場合を比べます。

名義1人あたりの譲渡所得控除後税額(20.315%)
単独名義約4,792万円約1,792万円約364万円
夫婦で1/2ずつ各 約2,396万円各 0円0円

同じ物件・同じ金額でも、名義の持ち方だけで結果が変わります。譲渡所得は持分に応じて按分し、確定申告は共有者が1人ずつ別々に提出します。

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共有名義の方へ:上のツールは単独所有を前提に計算します。共有の場合は、算出された譲渡所得をご自身の持分で按分し、その金額から3,000万円を差し引いてください。

使えないケース

3年の期限は「引っ越した日」から数えます。たとえば2024年5月に引っ越したなら、2027年12月31日までに売却する必要があります。空き家のまま置いておくと期限が来てしまい、本来使えたはずの3,000万円が使えなくなります。売る予定があるなら、この日付を先に確認しておくと判断を誤りません。

買い替えなら、住宅ローン控除との関係に注意

売った家で3,000万円特別控除を使うと、新しく買った家の住宅ローン控除が使えなくなる期間があります。

具体的には、新居に入居した年・その前2年・その後3年の間に3,000万円特別控除(または居住用財産の買換え特例など)を受けていると、住宅ローン控除は適用できません。入居年を含めて最長6年が対象になります。

どちらが有利かは金額次第です。売却益が大きければ3,000万円控除で数百万円単位の節税になりますが、売却益が小さいなら住宅ローン控除を長期間受けたほうが得になることもあります。売却と購入を同時に進める場合は、契約前に両方の金額を並べて比較し、税理士に確認しておくと安全です。

相続した実家は「別の制度」

自分が住んでいなかった実家を相続して売る場合、ここまで説明したマイホームの特例は使えません。代わりに「相続した空き家の3,000万円特別控除」という別の制度があり、要件が大きく異なります。

項目内容
建築時期昭和56年5月31日以前に建築された家屋
被相続人の状況亡くなった時点で一人暮らしだったこと
相続後の用途相続から譲渡まで、事業・貸付け・居住に使っていないこと
売却代金1億円以下
控除額3,000万円。ただし相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円
適用期限2027年12月31日までの譲渡

耐震基準を満たさない家屋は、耐震改修または取壊しが必要です。2024年1月1日以後の譲渡については、買主が譲渡の翌年2月15日までに改修・取壊しを行った場合も対象に加わりました。要件が細かいため、該当しそうな場合は早めに税理士へ相談してください。

手続きと必要書類

この特例は確定申告をして初めて適用されます。計算上の税額が0円でも申告は必要です。

よくある質問

夫婦の共有名義でも3,000万円特別控除は使えますか?

使えます。控除額は共有者1人につき最高3,000万円で、夫婦2人がそれぞれ要件を満たせば合計最大6,000万円まで控除できます。譲渡所得は持分で按分し、確定申告は1人ずつ提出します。

すでに引っ越した家でも3,000万円特別控除は使えますか?

住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば使えます。2024年5月に引っ越したなら2027年12月31日までが期限です。

3,000万円特別控除と住宅ローン控除は併用できますか?

同じ期間については併用できません。新居に入居した年・その前2年・その後3年の間にこの特例を受けていると、新居の住宅ローン控除が使えなくなります。買い替えではどちらが有利か比較して選ぶことになります。

相続した実家を売る場合も3,000万円控除が使えますか?

自分が住んでいなかった場合は「相続した空き家の3,000万円特別控除」という別制度になります。昭和56年5月31日以前の建築、被相続人が一人暮らしだったこと、売却代金1億円以下などの要件があり、適用期限は2027年12月31日です。相続人が3人以上なら控除額は1人2,000万円になります。

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監修:おうち
宅地建物取引士。物件調査・購入諸費用・売却収支の試算を専門領域とし、Sonaure を開発・監修。運営者情報を見る

※ 本記事は2026年7月時点の税制に基づく一般的な解説であり、適用の可否は個別の事情により異なります。要件・控除額・適用期限は改正されることがあります。ご自身が特例を使えるかどうかの最終的な判断、および正式な税額の算定については、必ず税理士または所轄の税務署にご確認ください。本記事は税務相談に代わるものではありません。
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」「No.3308 共有のマイホームを売ったとき」「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」/国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」